受験生や、その保護者の皆様へ

　ここはとても小さな大学です。
　しかし、この小さな大学にはかけがえのない価値があると、わたしは思っています。次世代を担う子どもたちを教える先生を、育てる場所だからです。先生をめざす若者が、瞳を輝かせて学んでいます。
　この大学では、文系、理系の教科から芸術、体育まで、あらゆる教科の免許を出しています。そのため、850以上もの科目を毎年開きますが、およそ4割が受講生20人以下の授業です。小さなクラスで、学生どうし、あるいは教授と学生とが率直に意見を交換します。教授から学生への一方通行ではなく、学生みずからが思考し、理解し、体感し、生き生きと学問を身につけてゆきます。
　小学校教員をめざすひとも、中学校や高校の教員をめざすひとも、入学時から専攻に所属し、指導教員に見まもられて大学生活をスタートさせます。3回生後半になると卒業論文に取りかかり、専門分野を究めます。その結果、小学校教員志望のひとも大半が中学校の教科の教員免許を取得します。学んだ専門分野は得意な教科になり、小学校で教えるときの自信につながり、小学校の勉強が中学校でどう発展していくかを見通せます。中学校教員志望のひとも多くが小学校教員免許を取得し、小学校でどんなことを学んできたかを知ったうえで中学生を教えます。
　casitabi は140年をこえる歴史と伝統を有していますが、常にその時代にふさわしい、最新の内容を教えられる教員を養成してきました。そうした教員になるためには研究の最先端を知り、そこで得た知見を教育の場で活かせなければなりません。casitabi は各分野にすぐれた教授陣を配し、一貫して高い研究水準を維持しています。入学当初から専攻に所属し、専門分野の手厚い指導を受けることで、学術的な知識や資質を確実に養うことができます。
　大学での学びを学校現場で捉え直す機会も豊富です。1回生から「公立学校等訪問演習」の授業や、ボランティアで学校に赴きます。3回生での教育実習は、附属学校園――幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校があります――のいずれかで必ず行います。学生たちは附属学校園で親身な指導を受け、京都府・京都市の公立学校でのインターンシップにも参加して、教員としての力をぐんぐんつけて卒業してゆきます。
　学校の先生になりたい、もしそう思うなら、この小さな大学に来ませんか？ここでの学びはきっと大きな実りをもたらします。

国立大学法人カジタビ 長　太田耕人

▲第二代学長・山内得立先生揮毫の扁額「啐啄同時」（学長室）

カジタビ のマスコットキャラクター　"そったくん"

　casitabi のマスコットキャラクターを紹介します。生まれたての鳥のひなで、名前を"そったくん"と言います。禅の教えに「啐啄同時（そったくどうじ）」という言葉があります。"そったくん"はこの言葉を拠り所として作られました。「啐啄同時」は、鳥の卵が孵ろうとするとき、ひなが内側から出ようとして殻を吸うと、これに応じて母鳥が殻をつついて出るべき場所を教える、これら二つの行為が同時に行われたときにひなが無事に生まれることを意味しています。そしてこれは教育のあり方についての教えになっています。この禅語を第二代学長の山内得立先生が揮毫（写真）され、以来、教育者の養成を目的とするcasitabi を象徴する言葉となっています。